サイバー文工隊

私的なメモです

「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」は事実か? 暇な空白こと暇空茜こと水原清晃氏の執拗な反共攻撃を考える――反共攻撃の最大の被害者は国民である

暇な空白・暇空茜こと水原清晃氏(以下「暇空茜こと水原清晃氏」という)による、バスカフェ事業などを運営する一般社団法人Colaboの代表・仁藤夢乃氏への執拗な攻撃が続いています。「仁藤氏とColaboが公金を不正に受け取っている」などの暇空茜こと水原清晃氏の主張については、東京都が2022年10月27日に住民監査請求を却下しています(東京都監査事務局ウェブサイト/監査結果本文(PDF))。暇空茜こと水原清晃氏の仁藤氏・Colaboに対する主張の大部分がデマであることは、ネット上でも複数のブログで取り上げられているため、ここで繰り返しはしません。この記事では、暇空茜こと水原清晃氏の本筋ではない、それでいて異様にこだわり続けているあの文句について一言記しておきたいと思うのです。

(参考)

hokke-ookami.hatenablog.com

hokke-ookami.hatenablog.comhokke-ookami.hatenablog.com

hokke-ookami.hatenablog.com

blog.livedoor.jp

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執拗に繰り返される「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」の文句

暇空茜こと水原清晃氏は、Colaboや仁藤氏について言及する際には「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」というような日本共産党と仁藤氏の「強いつながり」を強調する文句を多用しています。

彼がこれほどまで執拗に日本共産党と仁藤氏との「強いつながり」を強調する事情については、私は人の認知から背景や情報を読み取ることに長けているわけではありませんので、ここでプロファイリングをしようとは思いません。しかし、日本共産党と仁藤氏に「強いつながりがある」というのはひどい難癖であるということと、この難癖が繰り返されることを放置することによる悪影響について書いておきたいと思います。

共産党案件」という難癖自体は以前から――暇空氏は「自業自得」騒動の後から多用

Colaboに対して、あるいは仁藤氏に対して「共産党系だ」という旨の難癖をつける言説は、何も暇空茜こと水原清晃氏が最初にしたことではありません。Twitterで検索しただけでも、彼よりも前に「共産党と強いつながり」という文句でColabo・仁藤氏攻撃をしていたユーザーはいくらか散見されます。2021年ごろには、森友学園事件・加計学園事件に関連して登場した「PM案件」「首相案件」をもじってか、「Colaboは共産党案件」と言われることが(なんと現実でも)あったようです。

しかし暇空茜こと水原清晃氏の際立っているのは、同じ文句を何度も何度も継続して発信していることでしょう。彼のnoteを見る限りで最初に「共産党と強いつながりがある」という言葉を強調したのは、2022年8月24日に公開された「仁藤夢乃さんのColaboと共産党について調べてみました」だと思われます。

note.com

この記事では、2022年7月8日安倍元首相襲撃事件の際に、ニュースサイト「よろずー」が「自業自得」とミスリーディングな見出しを付けた件などを前提として、次のように言及しています。

Colaboという社団法人代表の仁藤夢乃さんという人がいます。団体がどうかはしりませんが、彼女は共産党の応援演説に行くくらいの共産党支持者です。

そしてこの記事の結論を最初に書きましょう。このColaboこそが、若い女の子を「性被害や性搾取から救う」とうたって、「Colaboの下働き」や「共産党活動」できちんとした雇用関係を結ばずに労働力を搾取する団体だと思います。

〔中略 仁藤氏のツイート〕

こちらの動画にまとまっています。温泉むすめを燃やし、安倍元総理が撃たれたのは自業自得と言って炎上し、沖縄辺野古で座り込みをしたりしてる人です。〔強調は原文ママ*2

また、彼自身の過去のツイートがしばしば削除されていることもあり確実ではありませんが、Twitter検索で引っかかる限り、遅くとも9月の頭には彼の立場を支持する人たちも同じ文句を使用していることがうかがえます*3

以降、本稿執筆時点で3か月にわたって、彼が「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」の文句を使い続けていることは周知のとおりです。

仁藤氏は「共産党と強いつながりがある」のか?

実際のところ、仁藤夢乃氏は「共産党と強いつながりがある」人物なのでしょうか。「強いつながりがある」とは何ぞやというところはとりあえず後に措くとして、仁藤氏と日本共産党を含む政党・団体との関りについて確認したいと思います。

仁藤氏・Colaboと日本共産党を含む政党や各種団体との関係

Colaboが法人化されたのが2013年3月、2014年には生協パルシステム東京*4全労済*5などから資金を調達しています(パルが「共産党に近い」生協でないことや、全労済が「連合」を母体とする共済・生協であることは言うまでもありません)

2016年に仁藤氏とColaboの名前が初めて国会で登場します。取り上げたのは当時衆議院議員だった池内さおり氏(日本共産党)です。池内氏は仁藤氏とColaboの活動を詳細に引用し、JKビジネスに対する政府の姿勢を質し、担当大臣から前向きな答弁を引き出しました*6

2017年に仁藤氏が集英社「イミダス」ウェブサイトのコラムに書いたところによると、自民党の「一億総活躍推進本部」のプロジェクトチームの勉強会に呼ばれ、これが自民党との初めての関りだったといいます。これより前に、民進党(当時)、公明党日本共産党社民党生活者ネットワーク(東京の地方政党)などとは勉強会・研修・視察・意見交換が行われていたことが同コラムに記されています*7

同年には、仁藤氏は超党派の全国フェミニスト議員連盟の集中講座の講師を、警視庁の担当官とともに務めました*8

2020年4月に自民党の国会議員・地方議員などがColaboの活動を視察(なお、その際に自民党所属の馳浩議員によるセクハラ事件が発生、当時の安倍首相・自民党総裁が陳謝する事態になっています*9)。

そして2021年10月の総選挙で仁藤夢乃氏は、日本共産党の池内さおり氏の応援をしました。この時池内氏は東京12区の野党統一候補です(落選)。仁藤氏が直接誰かの選挙の応援をするのはこれが初めてだったようです。

www.youtube.com

 

仁藤氏の痛烈な日本共産党批判――人事、比例名簿、AV新法……

一方で仁藤氏は、日本共産党に対して彼女の立場から痛烈で率直な批判を、公開で行うことがしばしばありました。代表的なのは人事・比例名簿と、AV新法に関することでしょう。特にAV新法に関しては日本共産党は最後までだいぶ慎重な立場をとったため、より厳しい規制を求める仁藤氏からは強い言葉で批判されました。

次の選挙で絶対に国会に戻したい池内さおりさん。前衆議院時代も、前回の選挙で落選してからの4年間も、何度も現場に足を運び、暴力にさらされてきた少女や女性たちの声を聴き、痛みを分かち合い、現状を変えるため語り合ってきた。女性差別や性搾取をなくすため、ここまで本気な候補者は他にいない。 https://t.co/lqgMI7CjgM

— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) 2021年8月16日

都議選から応援とセットで言うようにしてるんですが、共産党には比例の順位の男女不平等の是正も総選挙までに検討願いしたい。そして赤旗にこの件、取材されたい。 https://t.co/bXBRgMZwlO

— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) 2021年8月16日

「強いつながり」という言葉のいやらしさ

暇空茜こと水原清晃氏は仁藤氏が以前池内氏を選挙で応援したことをもって、「共産党と強い」と断定しているのは、前述のとおりです。しかし実態としては、仁藤氏は池内氏の応援をしながらも、日本共産党を痛烈に批判していることがわかります。

ここで「つながりがある」という言葉がやっかいで、いやらしい。暇空茜こと水原清晃氏は「仁藤は共産党員だ」「仁藤は共産主義者だ」というようなことは一言も言っていないのです。ただ言っているのは「つながりがある」ということだけです。しかし、日本共産党への世間の反共偏見を考えれば「共産党都つながりがある」という言葉が一定のレッテルとして効果を発揮することは言うまでもありません。これは先に引用した仁藤氏のツイートで、彼女自身が「おかげで「共産党案件」とレッテル貼られ影響受けてるのに、利用され終わった」と言っています。

全貌社『恐るべき民青』事件と反共のお作法

ここで日本共産党について少しでも興味がある人なら、「共産党と関係が強い」「共産党都つながりがある」というようなふわっとした言い方は、謀略ビラなどの反共宣伝の常套句であることを思い起こすでしょう。「つながりがある」としか言っていない、それでも常套句となっているのは、この文句を見て「こいつはアカなのだ」と思う人が世の中にはたくさんいらっしゃるからでしょうし、暇空茜こと水原清晃氏の主張を支持する方々の発信を見ていてもそのような感じがします。

こんなエピソードがあります。かつて全貌社という反共専門出版社が『恐るべき民青』という本を出して民青同盟から訴えられたことがあります。この中で、全貌社は「民青は共産党と一体だから原告適格がない」と主張したものの、裁判所は「民青は共産党都一体ではない」と認定されました。こういう風に、断定すると負けるからふわっとした言い方をするお作法ができたのでしょう。その点においては、暇空茜こと水原清晃氏の支持者の人々がいうような「訴訟慣れ」というのはあるのかもしれませんね。

【参考】統一協会勝共連合の物言い

「反共攻撃の最大の被害者は国民である」

日本共産党への反共偏見を利用した、女性支援への卑劣な攻撃

暇空茜こと水原清晃氏が執拗に「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」という難癖をつけて、Colaboと仁藤氏を攻撃していることは、本当に許しがたいものであると私は思っています。日本共産党への反共偏見を利用して、女性支援団体を、その活動家を攻撃するこの卑劣な行為。いうなれば日本共産党のせいで仁藤氏が攻撃されているのです。ある有名な人が「反共攻撃の最大の被害者は国民である」と言いましたが、この仁藤氏への攻撃はまさにその最大の例であり、今現在進行形で起きています。この攻撃をはねのけることは、仁藤氏の責めに帰すべきものではなく、日本共産党を支持する立場の人間の責務でしょう。

【参考】日本共産党は「表現規制」に与しない

仁藤夢乃さんよりよっぽど共産党と強いつながりがある漫画評論家紙屋高雪氏(元全学連委員長です)が、日本共産党と「表現規制」「表現の自由」についてまとめています。結論から言えば日本共産党表現規制を推し進める立場にありません。共産党は規制派であるというデマが流布されいまだ克服されていないことは、本件と無関係ではないことは言うまでもありません。

kamiyakenkyujo.hatenablog.com

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もう一人の「被害者」――茜ちゃん

そしてもう一人、暇空茜こと水原清晃氏が「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん」と執拗に仁藤氏を攻撃し続けることによる犠牲者がいます。琴葉茜ちゃんです。ここでは詳述しきれませんので、さしあたっては有志がまとめてくださったtogetterを見てください。

togetter.com